「たった『五日間』が教えてくれたこと」

中3_K・Kさん

 そして五日目。授業最終日。私は、シール一枚しかもらうことができなかった。今までずっともらえていた数学でのシールが、今日初めてもらえなかったのだ。本当に悔しかった。こんなに悔しいと思えたのは、この五日間、毎日自分の限界まで行こうと頑張っていたからだと思う。
 表彰式では、努力賞として選ばれ、この五日間の成果が出たのだと心の底から嬉しかった。沢山の人がいる中で立つのは少し恥ずかしかったが、それ以上に嬉しさの方が勝った。きっとカメラに映る私は嘘のない笑顔だっただろう。
 私はこの五日間を通して、「努力は裏切らない」ことの大切さを改めて知ることができた。今までずっと、勉強から逃げてきた。努力をしてこなかった。でも、合宿を通して自分の新たな目標を見つけられた。数学を前より好きになれた。本気で生まれ変わろうと思う。きっと、この合宿を忘れることはないし、こんなにも濃い五日間を忘れることはできないと思う。
 先生方、仲間に支えられてきた私。これからもきっと、くじけて投げだしたいときが幾度とあると思う。そのときは、この五日間のことを思い出し、入試に向けて突き進んでいきたい。絶対に自分に負けないように……

「新しい自分」

中3_N・Wさん

 今日、五日目。合宿最後の授業が終わった。やっと終わった。家に帰れる。また勉強からはなれられる。と思うと思っていた。が、実際は、「もっと居たい。」だった。合宿一、二日目の時の自分からは考えられない感情だった。
 先ほど、キャンプファイヤーをして、皆で夜星を眺めた。私は、気づいたらまた泣いていた。三日目の夜よりも。ずっと、号泣していた。今度は泣く理由が何個も思いついた。だが、一番の理由は、一度あきらめた、「中一から目指している高校に入りたい」という夢だった。再び、ずっと逃げてきた勉強と、真剣に向き合ってみようと思えた。不安で不安で仕方なかった。だけど、本当に、心の底から行きたいと思い、涙があふれてきた。

「自分自身を超えられるように」

中3_T・Mさん

 志賀高原はとても空気がきれいで本当に過ごしやすかったです。最後の夜、星・月・火が見れて本当に幸せでした。勉強はもちろんですが、皆と見ることのできた景色は一生の宝物にします。
 班のメンバーにも恵まれ、見事風紀チェックで優勝できました。私にとって三人は本当に誇りであり、尊敬する人たちです。一生大切な仲間にします。
 私は強がりだし人に頼ることや弱音を吐くのは苦手ですが、これからは仲間と切磋琢磨し支えあって皆で頑張りたいです。また、支えてくれる両親や正しいことに導いて下さる先生方に感謝を忘れずに前向きに取り組みたいです。今はまだ目標の学校に届かなくてもずっと目標を胸にかかげて力を尽くして努力することを誓います。残り半年、自分に自信がもてるよう全力で頑張ります。

「勉強だけじゃない」

中3_N・Hさん

 私は、国語の漢字・語句テストで1回目から3回目まで96点や98点ばかりで一度も100点を取ったことがなかった。そのため漢字・語句の直しをする紙を私はそのテストをやる前からいつも準備をしていた。
 直しをする自分が「当たり前」になっていたのかもしれない。その自分に気付かせてくれたのは、I先生だった。I先生は、直しをする用紙をいつも事前に用意している私に対して「満点を取れば訂正用紙なんていらない。だから訂正用紙は事前に用意しちゃいけないんだよ。」と伝えてくれた。
 私はこの言葉を信じ、100点を取るつもりで自習時間をたくさん使って何度も復習をした。いざ、テストをやるとなると、たかが小テストだがとても緊張した。それでもみごと満点を取ることが出来たのだ。最初で最後の100点。一度だけの100点だったがとても嬉しかった。

「友達からもらった努力する力」

中3_T・Mさん

 生活班では班員の皆がとてもフレンドリーで明るく優しい人で、朝起きる時やお風呂に入る時、寝る時すべてがとても楽しくて充実した生活でした。
 そして、友達の力はすごいなと思ったところがありました。それは、授業が終わって部屋に戻ってきたとき「もうつかれたな。寝たいな。」と思っていたのですが、友達が「明日のテスト覚えなきゃ。」や「もう少し勉強しようかな。」などと独り言を呟いて勉強し始めたのを見て、まるで自分に「一緒にテストで良い点取ろう。」「もう少しだけでも勉強頑張ろう。」と言われているような気がして、皆頑張っているのに自分だけ頑張らないでどうするのか、この5日間頑張って成長しないと、というあせりとやる気が湧いてきました。
 ただ、友達の一言でこんなにも努力ができるなんて思っていませんでした。この合宿の目的には友達に努力する力をもらい、頑張り抜くことも入っているのかなと思いました。

「忘れずに心にしまっておきたい」

中3_T・Iさん

 そして、最終日の夜のキャンプファイヤーのときに、火の明かりで照らされる顔は、やさしい穏やかな表情もある一方で、火をじっと真剣に見つめ、何かを心にきめた堂々とした顔など、様々な表情があっておもしろかった。
 私は全方位、堂々とした山に囲まれ、じわじわと燃える火、火の後ろから見守るようにそっと顔を出す月に私は勇気を与えられ、感動した。この合宿で体験した思いを受験のときまで忘れずに心にしまっておきたい、と思った。
 今回、コロナウィルスと言う不便な状況にありながらも合宿を行えたことに感謝したい。その合宿を行うために支えてきて下さった先生方などにも感謝を忘れずにしたい。

「合宿で得たもの」

中3_E・Kさん

 私は最後の最後まで98点をとることしかできない、98点をとる勉強しかできなかった自分に今までにない程腹が立って、自分の甘さを感じて、悔しくて、テスト後の授業中は必死になって涙をこらえていました。ここで泣いたら本当に自分に勝てなくなる気がして、でも悔しくて、今までになかった感情でした。
 テストで100点がとれなかった授業後から私は「今回の合宿で得たものは何だろう、何を達成することができたんだろう」と考えて、ずっと気持ちが晴れないまま8月9日をむかえました。
 そんな気持ちが晴れたのは、この日の夜のキャンプファイヤーと星空のおかげです。夜の空には雲がかかっていて真っ暗でしたが、しだいに晴れていき、火が大きくなる頃にはとてもきれいな星空になっていました。
 1分間の静かな時間で地面に寝転がって、炎の音を聞きながら空を見ていたら、合宿中の気持ちの変化がまとまって、よく分からないけれど清々しい気持ちになりました。私はこのとき、自分の中に言葉にはできないけど何か強い想いができて、自分の芯のようなものがつくられた気がしました。
 この合宿で何かを達成したり結果を出せたことはなかったけど、自分の中に信念のようなものができたと感じています。

「新たな疑問や期待」

中3_T・Rさん

 合宿を終えた今、私はなぜか満足しない。全力で、今までないくらいに勉強したのに。なぜだろう。それは合宿後にこの経験をどう繋げるのか、この久しぶりに感じた悔しさも喜びも、ここで終わらせてしまうのか、そんな新たな疑問や期待が生まれたからだと思う。
 15才の私が思う人生の目標は、いかに人生を楽しむか、いかに人生を充実したものにすることができるか、ということである。そのためには、常に何かに向かって、強く進み続けられる人にならなくてはいけないのだと感じた。
 半年後、そして何十年後、この合宿、この15才という時間はどのような存在になっているのだろう。しかし、その存在を良いものにも悪いものにも変化させるのは自分自身であり、それができるたった1人であることを忘れてはならないと思う。私はここに宣言したい。

「競争も楽しさ」

中3_I・Hさん

 ここまで濃厚な五日間が今まであっただろうか。もちろん私が一人ぼっちで、こんなに毎日も勉強し続けられるわけではない。そもそもやろうとも、これっぽっちも思わないだろう。私を支え、私を変えたのは、ずばり「環境」だ。
 私はどちらかというと競争心でやる気が出るタイプだ。目標点を自分でつくるのも大切だが、やはりたまに良い結果(順位)が出ると嬉しいものだ。次も全力で、とやる気が湧いてくる。そんな私に、この合宿の環境は厳しくもピッタリだった。
 通っているの塾のクラスや、数学も余り関係なく、先生たちが新しく考えた、学力が近い人ばかりのクラス。悔しい、嬉しい、楽しい、と様々な感情が、テストが実施される度にこみ上げてきて、いつしか(五日間だけど)私はそれらを踏み台にして、どんな結果であれ次のテストに前向きに取り組めるようになっていった。

「おはようと言う声」

中3_N・Rさん

 しおりには、六時半よりも前に起きて勉強している人もいます、と書いてあり、アラームなしでどうやって起きるんだよ、と思いました。また私は、アラームなしで六時半よりも前に起きたことがありませんでした。しかし、今まで味わったことのない焦りを感じたので、何が何でも五時半に起きてやる、と心に誓いました。そしたらなんと、五時半に目が覚めたのです。
 五時二十五分に「おはよう」と言う声が聞こえて、ぱっと目を開けたら、まだ誰も起きておらず、その声が誰の声かも解りませんでした。自分がアラームなしで、自力で起きることができたことにびっくりしすぎて涙が出そうになりました。私は一歩、限界を越えて成長したのです。

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