「この合宿を通して」

中3_S・Hくん

 僕は、この六日間の合宿で、何か形に残るものを残せた。という側の人間ではないかもしれない。むしろ、「あれ?なんだか思った通りに行かないな」と何か心にひっかかるものがあった。この合宿に行く前は、あれだけ練習してきた熟語や単語も、一〇〇点満点を勝ち取れたのは一回だけ。特訓テストも三位を数回ほど。なぜだ。少し心の中で考えてみた。すると、一つの結論に至った。僕は、常に合宿中、いやこの十五年間、ずっと誰かの背中を見ながらしか行動できていないと思った。合宿中も、周りが動いていたから自分も動いた。そんな稚拙な感情に頼ってしか勉強できていなかった。だから周りのみんなと少しずつ差が開いて、開いていった結果、テストの点数が下がっていってしまったのかもしれない。しかしながら、そんな自分の幼い心に気づかせてくれたのも、またこの合宿なのだ。先生たちが言っていた、「十五の心」。その真の到達点に僕はまだ、たどりつけていないかもしれない。でも、そのおかげで合宿後の自分の目標が見えてきた気がする。自分で自分を注意し、自主的に勉強を行う。少しでも甘えるようなところは、あってはいけない。それを何よりも意識をして、受験本番までには「十五の心」に到達、いや越えていきたいと今ここに決意する。しかし、時には「仲間」を大事にしてみたいとも思った。「受験は団体戦」という言葉をよく耳にする。この合宿を通して、初めてその意味が分かった気がした。いつもより近くに、共に合宿を乗り切る仲間がいたから、それでここまで走ってこれた。合宿中の国語のテストで「応援というのは、一人じゃないんだぞー。ここに仲間がいるんだぞー。と伝えてあげることだ。」というのを読み、まさにそれだと感じた。
 この合宿は、自分の弱さ、協力の大切さの二者が両方浮き彫りになった。後は自分でどう変わるか。あと半年間、辛いことも数えきれないほどあるかもしれないけれど、頑張るぞ!

「夜空に吸われし」

中3_S・Sくん

 「不来方の お城の草に 寝転びて 空に吸はれし 十五の心」
 この短歌は、合宿ガイダンスのときに先生方から聞いたものだ。学校や塾で教えてもらったことがあったが、余り深く意味は知らず、詳しく意味を知ろうと思わなかったのも事実だ。
 しかし、ガイダンスを通してから、この啄木の心情に、今は心から共感することができる。中学三年生というのは、まだ情緒も安定しておらず、個人的には、学生生活の中で一番難しい時期だと思っている。その中で、啄木が授業中に抜け出したくなる気持ちも十二分に分かる。しかしこの時期というのは、どうしても一人で乗り越えることができずに、崩れ落ちてしまうケースが多い。そんなときに支えになるのが、何よりも友達の存在なのではないか。そう感じる事ができたのも、この合宿においての大きな収穫であった。
 合宿一日目、しおりをふと見た時に、同じ班のメンバーは皆、他校の人たちだった。自分はかなりの人見知りであったため、班のみんなと話せるようになれるのかな、と不安に始まった合宿生活だったが、食事や風呂、勉強など、班のメンバーとともに過ごしていくと、知らずと仲が良くなってきたことに気がついた。そして、宿題の多さに苦悩していても、励ましたり、共に頑張ろうと声をかけてくれる仲間がいて、自分はどこか成長した自分になれたような気がする。
 この合宿は、本当に多くの収穫があった。仲間の大切さ、自分の限界は存在しないこと、数え切れないほどのたくさんの経験をすることができた。
 合宿に行こうと決意し、無事に最終日を迎えられた今、感じるものがある。しかし、感じた「あるたった1つのもの」というのは分かっていない。だけど、この1つが自分の人生の糧になる。これは間違いなく言える、絶対に。
 僕の人生はまだ終わらない。

「『競争』と『協力』」

中3_I・Kくん

「『競争』と『協力』」

 正直にいうと、僕は合宿に行くのがとても嫌でした。
 だってスマホも使えないしゲームもできないし何より説教が嫌でした。だから僕は合宿に来る前に決めていました。「絶対に怒られないようにしよう。」と。だたそれだけを心に決めてきました。
 でもそれだけでは間違いだったことが今になって分かりました。今の僕はとても後悔しています。原因はシールです。たったのシール一枚です。「あの時書き直してなければ。」「あの時こう書いていれば。」今になって思います。しかし、それと同時にたった一枚のシールのためだけにこれだけ頑張れることを知りました。
 仲間たちとの間にある競争心がいつもの授業以上に感じ取れて、自分も負けていられないと思うようになりました。クラスで一位をとったときは本当に嬉しかったし、逆に四位でシールがもらえなかった時は本当に悔しかった。そして気づきました。これが仲間たちと高め合っているということを。
 もちろん競っているだけではありません。仲間たちと共に協力して生活をすることで新しく芽生えた友情もありました。そんな中での授業は、いつも以上に楽しかったし、雰囲気が違いました。本当にこの仲間たちと勉強や生活ができて良かったと思います。
 合宿に来る前、先輩達の作文を読みましたが、本当にそんなポジティブな感想が書けるのか半信半疑でした。しかし、今は自信をもって良い合宿だったと言えます。なぜなら、僕も先輩方と似たようなことを書いているからです。
 これからも、また自信をもって言いたいです。とびっきりの笑顔で、「百点です。」と。

「自分を変えたい」

中3_O・Kさん

 この合宿を終えて思うことは、自分は今まで「なんとなく」勉強していたんだな、ということです。
 合宿に行く前から、自分では頑張っているつもりでしたが、合宿を終えた今、合宿前の勉強をふり返ると、やっぱり「なんとなく」だったなと思います。「次があるから次頑張ればいい」「部活が終わってから頑張ろう」一つ一つの言い訳は大したことなかったとしても、その積み重ねが結果に表れるんだと実感しました。実際、自分に言い訳せずに目の前のことに一生懸命過ごしたこの五日間は毎日が光のように速く、いつも勉強中に感じていた、「時間がたつのが遅いなあ」という感覚は、ほとんどありませんでした。自分に言い訳せずに一生懸命頑張る、というのはとても単純だけれど私にとってはとても難しいことでもあります。そんな中で支えになったのは、自分と同じように頑張っている仲間の存在でした。今まで私は、「受験は団体戦」という言葉を聞いても正直あまりピンと来ませんでした。でも、この合宿は仲間がいなければ絶対乗りこえられなかったと思います。自己嫌悪に陥ったときも、焦りや不安に押しつぶされそうな時も、仲間から刺激を受けて努力することができたのだと思います。
 最後に、正直私はこの合宿で「成長した」と自信をもって言えるほど成長できたとは思いません。ただ、今までの自分を見つめ直したくさんのことに気づけたという意味では成長できたのかなと思います。今まで、本気で自分を変えたいと思ったのは、今回の合宿が初めてでした。今の気持ちを大切に、東京に帰ってからも頑張りたいです。

「気づかされたこと」

中3_F・Tくん

 僕はこの合宿にとても後悔しています。シールを1枚ももらえていない自分の無力さを感じたのが1番の原因でした。
 始め、シールを持っていない人がいる安心感から、多少点が取れなくても、次はあると言い聞かせ、ただ黙々とがんばっているだけでした。でも、最後の方、ほとんどの人がシールを取っていました。さすがにあせり、必死で勉強した結果漢字テストは98点、あと1問だけでした。最後のテストだけがんばってもうまくいくはずがない、そんなことを思いました。
 思い返すと、課題に精一杯でテスト勉強の時間が確保できていませんでした。その言い訳のある安心感が変な余裕をつくりだしたのかもしれませんが、自分が作った理由もない限界なだけでした。食事前も、朝の散策でさえも語句テストや単語テストの紙を持ちだし、必死に勉強している人がいました。楽な方を考える僕が高得点を狙えるわけがありません。この合宿で、自分は本気でがんばっているつもりでも、実はそこまで本気ではない自分がいることに気がつけました。形だけの努力でした。今この後悔をしたことで、勉強に対しての気持ちが変わりました。負け惜しみになりますが、そのようなことを感じる事ができて逆に良かったのかもしれないと思っています。
 先生の言っていた、「自分で限界をつくらない」という言葉が1番印象に残っています。「もう限界」と言葉を放っているその時間すら、そのたった2秒勉強できたかもしれない、その必死さの積み重ねが自分を強くさせるのだと思います。
 たった六日間でしたが、自分が知らなかった価値や意味に何度も気づかされました。本番はこれからなので、まだ自分を変えられる時間があると思っています。ここから先、自分のつくった限界を突破していきたいです。

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